
アグネス・ドリスコール(1899年~1971年)、通称
マダムXは、アメリカ海軍の暗号学の著名な人物で、日本の暗号を解読する上で重要な役割を果たした。「人間が作った暗号は、女性によって破られる。」という有名な言葉を残した。イリノイ州生まれのドリスコルは、数学と語学に優れ、オハイオ州立大学で数学と物理学を専攻。ドイツ語、フランス語、日本語、ラテン語を習得し、1918年に米海軍に入隊した。暗号通信部門に配属され、暗号機のテストや秘密通信の作成に携わった。彼女の最大の功績は、日本海軍の「赤本」「青本」暗号の解読だ。第二次世界大戦中、ドリスコルはミッドウェー海戦の勝利に貢献した暗号解析の専門家を育成した。彼女の業績は戦争を短縮させ、現代の暗号解析の基礎を築いた。戦後も米海軍の暗号研究に影響を与え続け、2000年には国家安全保障局 (NSA) の殿堂入りを果たした。